2025年の苗立状況 ①岩手・青森
- 初冬播き 岩手大学
- 6月25日
- 読了時間: 3分
● (株)JAグリーンサービス花巻(岩手県花巻市)
初冬直播き:3作目
品種:ひとめぼれ(前年産)
播種:2024年11月15日
播種機:ロータリーシーダー
播種量:12kg/10a
苗立ち数:100本/m2
コメント:
4月の雨が続いたため、出芽が昨年より遅く、ラウンドアップのタイミングに苦慮

● (株)かきのうえ(岩手県八幡平市)
初冬直播き:4作目
品種:つきあかり(当年産)
播種:2024年11月18日
播種機:ロータリーシーダー
播種量:18kg/10a
苗立ち数:200本/m2
コメント:
規模拡大が急速に進んでおり、初冬直播きを今年度は10haを植え付け、春の直播は41ha、移植は10haにとどめ、乾直を中心に経営

● 阿部氏(岩手県矢巾町)
品種:銀河のしずく(当年産、キヒゲン処理)
整地:2024年11月18日 AM:MR1050H-PCにてパワーハロー(砕土整地)
同日 PM:MR1050H-PCにてレーザーレベラー
播種日:2024年11月19日 AM:MR1050H-PC(自動操舵)にて播種
同日 PM:MR1050H-PC+D35ドンディ(溝堀)
播種量 8kg/10aと10kg/10a(ドリルシーダー)
春の鎮圧:2025年4月12日(ケンブリッジローラー)
除草:2025年5月27日(クリンチャーバスを散布)
苗立ち数:100本/m2程度 6.0葉期(写真左が8kg、右が10kg、1ha水田の半分ずつに異なる播種量、両方同じくらいの苗立ち数)
入水:6月1日から入水開始
コメント:
経営の柱であるネギの移植などの作業がちょうど春のイネの農繁期と重なるため、初冬直播きに期待。今後も地域で出てくる農地をどんどん受け入れたい。
参考情報はこちら

● 岩手県農業研究センター(岩手県北上市)
初冬直播き:1作目
品種:ひとめぼれ(前年産、原種)
播種:2024年11月20日
①播種機:アグリテクノサーチ クリーンシーダ
播種量:7.5kg/10a(キヒゲンR2フロアブル塗沫)
苗立数:87本/㎡(苗立ち率32.9%、播種深2.5cm)
②播種機:高速高精度汎用播種機(播種機形式:NTP-6AF)
播種量:8.1kg/10a(キヒゲンR2フロアブル塗沫)
苗立数:118本/㎡(苗立ち率41.3%、播種深1.6cm)
雑草防除:
5/9マーシェット乳剤
5/28クリンチャーバスME
5/30入水開始(漏水していた(日減水深約9cm)ため、管理機で畦畔際代かきを実施し日減水深約2.0cmまで改善)
コメント:
高速高精度汎用播種機試験区は、4月下旬に出芽始期、5月上旬に出芽終期となった。一方、播種深が深いクリーンシーダ試験区は、やや出芽が遅れ5月上旬に出芽始期、5月中旬に出芽終期となった。

● 生産者の失敗例(岩手県)
【注意:春の出芽前に湛水すると全滅します】
今年の岩手県では,春に雨が続き,低温傾向であったため,出芽が遅くなりました。出芽を促す目的で、待ちきれずに5月中旬に湛水してしまい、イネを枯らした例が県内で2つありました。春の出芽前に湛水すると全滅します.
出芽が揃うまでは、水はフラッシング程度(一時的な灌水)とし、乾田状態で維持するのが重要。水を入れて湛水するタイミングは葉が3枚くらい出たとき。
● 青森県産業技術センター農林総合研究所(青森県黒石市)
初冬直播き:9作目
品種:まっしぐら(自家採種、当年産と前年産)キヒゲンR2フロアブル塗抹
播種:2024年10月31日
播種量:12kg/10a(乾籾)
播種機:ニプロ スリップローラーシーダー(事前耕起なし、耕起同時播種)
苗立ち数:171本/㎡(当年産)、80本/㎡(前年産)
雑草防除:
出芽後(5月30日)ノミニー液剤
6月2日入水開始
6月12日プライオリティ豆つぶ250
コメント:
4月は降雨が多かったため、鎮圧が困難であった。苗立ちは前年産種子に比べ、当年産種子で90本/㎡程度多かった。雑草防除は問題なし

⚫︎ Mファーム(青森県弘前市)
過去8年間、初冬直播きに高成績をあげてきたが2024年初冬に播種できなかった。
【その背景と原因は】
青森県の初冬播きの播種適期(当年産種子の場合)は10月下旬~11月中旬。Mファームは水稲のコンバイン収穫面積が多く、初冬播きの播種作業に入るのが遅いので、例年の播種作業は、11月中旬~12月中旬(根雪直前まで)。
ところが2024年11月に集中的な降雨があり、圃場が乾きにくく、播種作業に入れなかった。
さらに根雪始めが平年より早く(黒石市では平年より7日早い、12/7に根雪始め)、播種可能期間の晩限が早まった。
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